更年期レシピ
~ツライ時期を乗り越えた先の30年を楽しむために~
Recipe by Chiaki Yoshikawa
~ツライ時期を乗り越えた先の30年を楽しむために~
Recipe by Chiaki Yoshikawa

今回はまだオーガニックが目新しかった1990年代より海外のオーガニックコスメのプロデュースをし、オーガニックコスメと植物美容を日本に広げ、現在も第一線でご活躍されている吉川千明先生にご登場いただきます。吉川先生は最近ではご自身が経験された更年期のツライ体験をもとに女性にとって避けて通ることのできない更年期というライフステージとの向き合い方についてお話しいただきました。
PROFILE
吉川千明(よしかわちあき)
美容家・オーガニックスペシャリスト
「更年期と加齢のヘルスケア学会」認定メノポーズカウンセラー
「目指すのは自然体でエレガント」「科学的にナチュラルに」をモットーにコスメのみならず、食、女性医療、漢方、植物療法、ファッション、インテリア、旅とナチュラルでヘルシーな女性のライフスタイルを提案。1990年代より、オーガニックコスメと植物美容を日本に広げたナチュラルビューティの第一人者。
<主な資格>
■「更年期と加齢のヘルスケア学会」認定メノポーズカウンセラー
■ アロマ環境協会認定 アロマテラピーインストラクター
■ CIDESCO認定インターナショナルエステテシャン・アロマテラピスト
代表著書:「美しくなれる自然療法」(主婦の友社)
「オトナのための女性ホルモンの話」(宝島社)
「これからの美しさの磨き方」(KADOKAWA)など著書多数
美容家・オーガニックスペシャリスト
「更年期と加齢のヘルスケア学会」認定メノポーズカウンセラー
「目指すのは自然体でエレガント」「科学的にナチュラルに」をモットーにコスメのみならず、食、女性医療、漢方、植物療法、ファッション、インテリア、旅とナチュラルでヘルシーな女性のライフスタイルを提案。1990年代より、オーガニックコスメと植物美容を日本に広げたナチュラルビューティの第一人者。
<主な資格>
■「更年期と加齢のヘルスケア学会」認定メノポーズカウンセラー
■ アロマ環境協会認定 アロマテラピーインストラクター
■ CIDESCO認定インターナショナルエステテシャン・アロマテラピスト
代表著書:「美しくなれる自然療法」(主婦の友社)
「オトナのための女性ホルモンの話」(宝島社)
「これからの美しさの磨き方」(KADOKAWA)など著書多数


- 簡単な自己紹介をお願いできますか?
- 今は講演・執筆活動、オーガニックコスメのセレクトショップのプロデュース、イベントの企画・運営、企業のコンサルティングが主な仕事です。プラスすると、産婦人科医の対馬ルリ子先生と2002年より『女性ホルモン塾』という女性のための健康講座を開催しています。先日、131回目(インタビュー時2019年2月)を数えたのですが、おかげさまで毎回満員のため、今回からより広い会場に変えたんです。会を重ねる毎に女性が自分のカラダのことを正しく知る重要性を感じています。
- 吉川先生は更年期の専門家としてもご活動されていますが、更年期にフォーカスしようと思った経緯を教えてください。
- 更年期もそうなんですが、女性が女性のカラダを正しく知ることって海外と比べて日本はまだまだ浸透していなくて。そもそも更年期ってなにかって。
例えばフランスでは、女の子は10代のうちに母親と一緒に産婦人科へ連れられ、自分のカラダがどのように成長し、どのようなケアが必要になるかを学びます。日本にはそういった習慣がありません。なので、妊娠したらどうなるか、更年期とは何か、教わらないんです。教わっていないので予防できないし、ケアもできない。それが今の日本です。60代になってもずっと妊娠できると思っている女性もいるんですよ(笑)。
ホルモンと連動する女性のカラダやライフサイクルについて知らされていない、それはつまりヘルスケアができていないと言えます。私たちは自分たちのことだけでなく、社会で起きていることも自分は関係ないと思うのではなく、もっと関心を寄せるべきです。ココロとカラダとソーシャル(社会)が連携することがホリスティックな意味での健康だと思っています。
女性のライフステージは思春期、成熟期、更年期、高齢期と分かれる訳ですが、なかでも閉経を境に前後5年の合計10年間を一般的に更年期と呼び、平均45~55歳の頃に訪れます。私はすでに更年期を過ぎているのですが、この時期に非常にツライ体験をしましたので、少しでもこれからご経験される方のためになれればと思い、更年期の専門家として自分の体験談をお伝えする活動を始めました。
私の場合はプレ更年期と呼ばれ、本来は更年期とみなされない早い時期から更年期特有の症状が出始めました。首・肩こりがひどくなり、関節痛が合わさって軽い紙袋さえも持てませんでした。ほかにも肌荒れがひどくなり、それまで使っていた化粧品が一切合わなくなり。粘膜も乾くので当時はずっと飴を舐めていました。不正出血や動悸にも悩ませられましたね。
メンタル面でも特段悪いことが起きていないのに不安を感じるようになり、中途覚醒と言われる更年期特有の症状なのですが、眠りが浅くなり、一旦起きると眠れなくなるんです。当時は夜中に起きては不安にかられながらベットの端に座っていました。電車に乗っていても混んでいる車内とか天井の低い構内で今何か起きたらどうしよう?と不安で怖くなり乗れなくなりました。あと無性にイライラするようになって、その時は人のつむじを見るだけで腹が立っていました(笑)。

- 更年期に対する理解を深めることで何が変わってくるのでしょうか?
- 更年期とは女性ホルモンの「あるわたし」から「ないわたし」に移行する期間なんです。しかも急激に。女性ホルモンは女性の健康にトータルに関わっているのですが、それが40代を過ぎた頃からガクンと落ちるので、肌、甲状腺、免疫、自律神経などいろんなところが影響を受けるんですね。その結果として先程のような症状が一気に襲ってくるのでとても大変なんです。
しかもやっかいなことに、更年期は一般的に閉経の前後5年を指しますが、閉経してからはじめて、それまでの5年間の症状が更年期によるものだったんだとわかる訳です。つまりいつ更年期が始まったのかわからず「体調悪いなぁ~」とか「冷え性かな」と思っていたことが、実は後から更年期だったということが分かる訳です。
子どもを産む産まないの違いはあっても、全ての女性にとって閉経はあり、全ての女性に更年期が訪れます。それはいわば人生の関所のようなもので避けて通れないもの。だからこそこの時期のケアが大切なのです。例えると、老朽化した水道管を放置したままだといずれひびが入って割れてしまいますが、テープを巻いたりして補修してあげると長持ちします。大変ですが、この時期の10年間をいかにケアするかでその後の30年の質が違ってきます。ドクターでもアロマセラピストでも漢方医でも運動療法の先生でもいいので、正しい情報を教えてくれて、上手にサポートしてくれる人を見つけておくことをおすすめします。

- 今回は更年期の改善をアロマでアプローチする訳ですが、普段からアロマはお使いですか?どういう時に使いますか?
- ここでは、植物から採ったエッセシャルオイルの香り、精油の香りのことを「アロマ」と呼びますね。
アロマはその芳香成分が鼻から入って脳に届くというメカニズムなのですが、鼻の奥にある嗅細胞は「むきだしの脳」とも言われ、嗅細胞によって芳香成分が大脳辺縁系にダイレクトに働きかけます。自律神経、免疫系、ホルモン系のコントロールタワーである大脳辺縁系を自分でコントロールすることができないなか、唯一嗅覚だけが直接働きかけることができる。だからアロマ、自然の香りの活用は思っている以上に大事なんです。
アロマはいつも使っています。逆に身近すぎな存在なのですが、最近改めてアロマの良さを実感したことがありました。イベントで長期滞在中のホテルでのことでした。夜中に、急に苦しくなってしまい、救急車を呼ぼうかと思ったとき、咄嗟に「香りだ!」と持っていたアロマを取り出して嗅いだところ、たちまち落ち着いて苦しさがおさまったんです。苦しいときに直観的にアロマだと思い出し、信じて、それが実際に効果があって!!。改めてアロマの魅力に気付かされました。
アロマはゼラニウム、クラリセージ、フランキンセンス、オレンジなどが好きです。私は1990年代にアロマが注目されたときに勉強しましたが、今はもっと色々な種類のアロマが身近で買えるようになりましたので、ぜひ様々な香りを嗅いでいただきたいと思います。

- 更年期対策のアロマレシピについて教えてください。
- 今回のレシピですが、まずゼラニウムは絶対に入れたかったんです。なぜならつい最近、ゼラニウムを嗅ぐだけで更年期特有の女性の不調が改善したというデータがでたからです。一緒に講座を開催している対馬先生のクリニックで被験者30名にゼラニウムを嗅いでもらったところ、気分が明るくなったり、肌つやが良くなったり、髪にツヤがでたといった、多くのプラス結果がでたのです。さらにゼラニウムは葉から抽出するのですが、フローラルな香りでありながら葉のグリーンな要素もあって、様々な要素をもっているところが好きですね。ゼラニウムとラベンダーはブレンドするときのバランスを保つ要素として重宝しています。何より女性はゼラニウムの香りが好きですから(笑)。更年期の不安感をとるのにぴったりだと思います。
イランイランとクラリセージは緩める精油の代表でして、自分らしさを引きだすのに最適だと思います。とくに日本女性は真面目すぎてしまうところがあるので、もう少し不真面目に!自分らしさをだしてもらいたいです。
フランキンセンスは世界中の寺院で焚かれている平安の香りです。かわいいキュートな香りだけだと物足りなく感じるのでどっしりしたベースノートのフランキンセンスで香りを引き締めています。
あとはグレープフルーツ。私はグレープフルーツのチャーミングさが好きです。フレッシュさのなかにほのかな甘みがあってイランイランやフランキンセンスとも相性が良いので。
- 最後に一言お願いします。
- このブレンドは更年期女性用に考案していますが、それ以外のときに自分がヒステリックになりそうなときやパニック・過呼吸になりそうなときにも使っていただきたいです。男性の方もきっとこの香り、好きだと思います。
最後にアロマは一生の財産になります。色々なシーンで助けてくれますのでぜひ一度きちんと習っていただきたいと思います。とにかく、全員、幸せになりましょうね(笑)。

本文のなかにご紹介させていただいた『女性ホルモン塾』など、自然と寄り添う「これからの暮らし方」を提唱するオーガニックビューティーの第一人者、吉川千明先生の情報はオフィシャルサイトにてご覧いただけます。
http://biodaikanyama.com/
instagram: yoshikawa.chiaki
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